奈保子的音楽戦略展望
コンセプトアルバムの否定
奈保子さんのアルバムの作り方は松田聖子さんとは対照的です。
特に松本隆作品以降の聖子さんのアルバムは
風景の中に感情を閉じこめた
感じの
三人称で客観的な、引きの画面
といった印象のコンセプトアルバムを作成しやすい楽曲が大半です。
それに対して奈保子さんは、
一人称、二人称で主観的な、
情感をたっぷり込めて歌い上げる、アップの画面
という感じで、それだけに特に歌詞の粗や不自然さが目立ちやすく
アルバムとして通して聞くとバラツキを感じさせます。
そこでスタッフは、サマーヒロイン(1982/7/21発売)以降
思い切ってコンセプトアルバムを否定し、奈保子さん自身が好きな
シンガーソングライターへアルバム片面単位で楽曲を依頼するという、
常にアルバム制作を楽曲実験・歌唱訓練・シンガーソングライター育成
という一面を持たせる方向に変更したと考えられます。
育成期間終了後には卒業制作としての
海外ミュージシャンによる二枚の洋楽翻訳的な実験アルバム
筒美京平さんによる二枚のコンセプトアルバム
を発表し、全く歌手活動を停止することなく
シンガーソングライターとして二度目のデビューを飾ります。
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